こんにちは。この記事を開いてくださったあなたは、きっと「躁状態になるとお金を使いすぎて困る」「家族にも迷惑をかけてしまう」「クレジットカードの請求書を見るのが怖い」と感じている方だと思います。そんな気持ち、本当によくわかります。私自身も双極性障害と診断されて以来、躁状態での衝動買いに何度も後悔してきました。
でも大丈夫。あなたは一人じゃありません。この記事では、私たち双極性障害を持つ仲間が、躁状態でも自分のお金を守るための具体的な方法をお伝えします。完璧である必要はないんです。少しずつ、自分に合った方法を見つけていきましょう。
躁状態とお金の問題:自分を責めないところから始めよう
躁状態になると、私たちの脳は「今この瞬間」に集中します。「このバッグがないと生きていけない!」「この投資で絶対儲かる!」という感覚、経験したことありませんか?これは私たちの意志が弱いわけではなく、脳の働きが一時的に変化しているだけなんです。
私が躁状態だった時、たった2週間で貯金の半分を使い切ってしまったことがあります。その後の落ち込みはとても辛かった。でも、自分を責めるのはやめました。代わりに「次はどうすれば防げるか」を考えるようにしています。あなたも、まずは自分を許してあげてくださいね。
ローンを契約しない:未来の自分を守る優しい選択
躁状態の時に最も危険なのが、ローン契約です。私は躁状態の時に車のローンを組み、その後何返済に苦しんでいます。「その時は絶対に必要だと思ったんだ」と思い込んでいました。
ローン契約を避けるための私なりの工夫をシェアします:
- 72時間ルールを作る:「絶対欲しい!」と思っても、3日間待ってから決める約束を自分としています。驚くことに、3日後には「あれ?そんなに欲しかったっけ?」となることがほとんど。
- 頼れる人に相談する:私の場合は母親に「何か大きな買い物をしたくなったら、まず電話で相談させて」とお願いしています。外部からの視点が冷静さを取り戻すきっかけになります。
- ローン申込書は持ち帰らない:お店で「検討します」と言って持ち帰ると、家で興奮状態のまま記入してしまうことも。その場で断る勇気を持ちましょう。
- 自分へのラブレター:私は財布に「大丈夫、あなたはそれなしでも十分素敵だよ」というメモを入れています。躁状態で買い物に走りそうな時、これを見ると少し落ち着けます。
クレジットカードよりデビットカードを:リアルな「手放す感」を大切に
クレジットカードって本当に危険です。私が最も後悔している買い物は、すべてクレジットカード経由でした。その時は「後で何とかなる」と思えるんですよね。でも請求書が来た時の絶望感…。
デビットカードに切り替えて変わったこと:
- 「これで終わり」感がある:デビットカードだと、使ったらすぐに口座から引かれます。「あ、お金が減った」という実感が湧きやすく、歯止めになります。
- 限度がはっきりしている:口座にある分しか使えないので、借金の心配がありません。私の場合、日々の生活費だけを専用口座に入れて、そこからデビットカードで支払うようにしています。
- 毎日チェックできる:アプリで残高をこまめに確認すると、「あれ?昨日より減っている」という気づきが生まれます。
デビットカードへの切り替え方:
- クレジットカードを封印する
- スマホの支払い設定をすべてデビットカードに変更する
- ネットショッピングのアカウントからクレジットカード情報を削除しておく
信頼できる人と二人三脚:恥ずかしがらずに助けを求めよう
お金の管理を一人で抱え込む必要はないんです。私が躁状態になりやすいことを知った時、恥ずかしさから誰にも言えませんでした。でも、勇気を出して家族に打ち明けたことで、状況は大きく改善しました。
- 共同管理のしくみ:私の場合、大きな出費には母親の承認が必要な仕組みにしています。面倒くさいときもあるけど、これで無駄遣いが激減しました。
- 定期的な「お金カフェ」:友人と月1回、お互いの家計を見せ合う時間を作っています。言語化することで冷静に状況を把握できます。
- 躁サインリスト:私の場合「夜中に突然掃除を始める、SNSの投稿が増える、話すスピードが速くなる」が躁状態のサイン。家族にもこれを共有し、気づいたら声をかけてもらうようにしています。
テクノロジーという味方:スマホを守り神に変える
テクノロジーは敵にも味方にもなります。上手に活用しましょう:
- 予算管理アプリ:「今月のカフェ代予算は残り〇〇円です」と教えてくれるアプリ、便利です。視覚化されると歯止めが効きます。
- 小銭貯金アプリ:支払いを自動的に切り上げて、その差額を貯金してくれるアプリも。知らない間に貯まっていきます。
- タイマー機能の活用:衝動買いしそうな時は「15分タイマー」を設定。15分後に本当に必要か再考します。
躁状態に備える:「調子がいい時」こそ準備を
調子のいい時こそ、次の波に備える時です。私が実践していること:
- 緊急用と生活用の口座を分ける:大きな金額は簡単に引き出せない定期預金や家族名義の口座に。日常使いの口座には必要最低限だけ。
- 「躁バジェット」の設定:躁状態になったとしても使っていい金額をあらかじめ決めておく。「今月の自由に使える金額は3万円まで」など、ルールを作ります。
- 「躁スナックバッグ」の準備:安くて楽しい買い物リスト(500円以下のものばかり)を作っておく。買い物欲を感じたら、まずはここから選ぶようにします。
躁状態の時のお金の使い方:完全に禁止は難しいから
正直、躁状態の時に全く買い物をしないのは難しいと思います。だから私は「どうしても使いたい時の安全な使い方」も考えています:
- 限定カードの使用:プリペイドカードに少額をチャージして、それだけを持ち歩く。これなら使いすぎても被害が最小限に。
- 24時間ルールの徹底:オンラインショップのカートに入れても、すぐに買わない。「明日また見よう」と自分に言い聞かせる。
- 「躁ノート」をつける:買いたいものをすべてノートに書き出す。実際に買うのではなく、書き出すことで満足感を得る方法です。
まとめ:小さな一歩から、自分を守る習慣を
双極性障害と付き合いながらお金を管理するのは、本当に大変なことです。でも、小さな工夫の積み重ねで、少しずつ状況は良くなります。私自身、完璧ではありませんが、以前より随分と良くなりました。
一番大切なのは、自分を責めないこと。「またやってしまった…」と思う日があっても、それは成長の一部。明日また新しく始められます。
あなたの経験や工夫があれば、ぜひコメント欄で教えてください。この記事があなたのお金との関係に少しでも役立つことを願っています。
注:私も双極性障害と診断されていますが、一人一人症状や状況は異なります。この記事の内容は私の経験に基づくものですので、必要に応じて医療専門家やファイナンシャルアドバイザーにご相談ください。
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